Functional Movements of the Mouth Floor Studied Cinefluorographically (Postero-anterior view)

1977 
歯列, 咬合, 顎口腔系機能に異常が認められない者8名を被験者に選び, 前頭面上における口腔底の動きを, 後一前方向撮影によるX線映画法により記録, 分析した. 得られた結果について, 考察を加え, つぎのような結論を得た.1.下顎を最大開閉口, 側方滑走限界運動させた場合, 口腔底は下顎切歯点の動きに類似した運動を示した. しかし, 個々の上下, 左右方向の運動域では, 上下的には縮小, 左右的には極くわずか拡大されていることが認められたまた, 口腔底の動きは下顎の動きより遅れるという特徴があつた.2.下顎が咬頭嵌合位の時, 口腔底は安定した再現性ある状態を示した.3.下顎の移動量を消去し, 口腔底の純移動量を測定したところ,1) 下顎の最大開閉口運動では, 口腔底は7-15mm, 平均10.3mm上方に移動する, この時の最大左右移動幅は平均4.1mmであつた.2) 下顎の測方滑走限界運動では, 口腔底は左右的に最大幅で示しても1-5mm, 平均2.6mmとわずかしか移動しない.この時の上方への移動量は3-7mm, 平均3.9mmであつた.3) 舌に6種の規制運動を行わせた時, 口腔底は特徴ある移動を示した.口腔底を大きく移動させるのは, 口唇を閉じたままで舌を側方に最大限運動させる場合, 舌を前方に最大限突出させる場合, 舌尖を口角に触れさせる場合である.これらの舌規制運動時, 口腔底の上方への移動量は部位が後方ほど大きくなり, 側方への移動量は部位が前方ほど大きくなる傾向を示した.4) 空口嚥下運動時の測定は被験者5名について行つた. 口腔底は他の各種運動の場合と異なり, 下方へも移動するという特異性を示した. 上方への移動量との比較では, 下方への移動量の方が大であった.4.空口嚥下運動中の口腔底の動きの時間的経過は, 嚥下の初期に口腔底は下降し, 下顎が咬合面接触を始める時期に最下降し, それから上昇し始め, 最挙上位に達する. それから再下降し, 2回目の最下降点に達し, 再び上昇するが, 動きは減衰化して行く.2回目の最下降点は下顎が咬合面接触から離れ, 開口を始める時期にほぼ一致する. 空口嚥下運動での口腔底の主たる大きな動きは, 下顎が咬合面接触している期間中までであつた.
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