AN INVESTIGATION ON THE ACCIDENTS DUE TO OXYGEN DEFICIT IN TUNNEL EXCAVATION

1968 
著者らは和歌山県の一地区において,国道工事のトンネル掘さく作業時に発生した災害事故に際して,事故現場の空気が高濃度(10.3%)のCO2を含み,著しいO2欠乏(0%)がその原因であることをつきとめ,またそのO2欠乏と高濃度のCO2発生の機構は,地質学的には,当地を通る糸川-仏像線という特殊な地層に当るため,CO2の発生とO2の減少をひき起こし,しかもこれはけつ岩による物理的,化学的作用によって,O2の吸収とCO2の発生に由来するものであるということが推論された。 糸川-仏像線は,地質学的には西南日本を通る中央構造線や,御荷鉾(みかぶ)線とともに,有名な構造線であり,このような構造線を有する他の地域でも,本例のような災害事故を発生する危険性も考えられるので,このような地層においての建設工事に当っては,充分なる注意をはらうことが肝要である。特に事前に,地質学的な調査をち密に行なって,このような構造帯はできるだけ避けるようにするか,やむをえなければ,掘さく工事中,坑内の換気を完全に行なうことは,絶対に必要である。 また衛生管理上の対策として,このような工事現場では,衛生管理担当者は,ガス検知のための器機類や,試薬類,鳥類などを常に整備し,定期的にガス検定を行なって,不慮の災害事故の防止に万全を期することを忘れてはならない。
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