治療開始：いつから治療をするか？ どの薬剤を開始するか？

1987 年アメリカリウマチ学会（ACR）関節リウマチ分類基準は，早期診断には感受性が低い．早期治療の必要性の認識が高まり，ヨーロッパからはライデン大学早期関節炎コホートスコアが報告され，これを基盤に2009 年，ACR／ヨーロッパリウマチ学会（EULAR）関節リウマチ予備診断基準が ACR で発表された．これらは関節所見と血液検査を中心とする早期診断スコアである．一方，厚生労働省江口研究班では，手指関節 MRIを取り入れた早期診断および早期治療基準案を報告したが，この基準を満たす症例はライデン大学および2009 年 ACR／EULAR 基準も満たすことが多い．これらの基準で関節リウマチあるいは関節リウマチへの進展リスクが高いと判断された場合は予後不良因子を考慮し，昨今のガイドラインに沿う早期からの抗リウマチ治療の導入が推進される．