A case of malignant fibrous histiocytoma of the liver.
1990
肝原発の悪性線維性組織球腫(以下,MFH)の1例を経験した.症例は54歳,男性で,主訴は体重減少であった.入院時検査では特記すべき所見はなく,HBs-Agは陰性,AFP等の腫瘍マーカーも正常域であった.腫瘍はS7にあり,大きさは8×7cmで,CTscanでは比較的境界明瞭なlow density areaとして描出され,腹部血管造影ではhypovascularであった.腫瘍は一部横隔膜に浸潤していたため,右後区域切除,S5及び横隔膜部分切除と右肝動脈カニュレーションを施行した.病理組織学的には,線維芽細胞様細胞と組織球様細胞とからなり,stori form patternが著明に認められ,MFHと診断された.術後の化学療法は効を奏さず,腹膜播腫,肺転移を生じ,術後60日目に死亡した.肝原発のMFHは極めて稀で,診断及び治療上困難なことが多い.本疾患の1切除例について,若干の文献学的考察を加えて報告した.
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