Clinical and clinico-pathological studies on early primary biliary cirrhosis.

1990 
無症候性原発性胆汁性肝硬変(a-PBC) 25例において,ALPが正常上限の2倍未満に止まり診断基準のALPの中等度以上の上昇を満たさないものをPBC早期例,ALPが正常上限の2倍以上のものをPBC典型例と定義した.早期例は11例(44%)と高率に認められ,典型例と比較して臨床症状,肝組織像,抗ミトコンドリア抗体(AMA)陽性率に差はないが,GOT, γ・GTP, IgM,アデノシンデアミナーゼ,赤沈などの異常は有意に軽度であった.また,ALP正常な4例の組織所見および検査成績の推移を観察し,検査成績正常な時期からPBCとしての異常が顕性化するまでの過程を検討した.早期では組織変化とAMA, anti-M2の出現が検査成績の異常に先行し,検査成績ではIgMが最も早期に上昇し次にγ-GTP,トランスアミナーゼ,赤沈などが上昇した.早期PBCにおいてはALPの上昇は必須条件ではなく,その発見には無症状かつALP正常例の存在を念頭におき,検査成績のなかでは異常率の高いIgMの測定が不可欠であった.
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