[A case of an alpha-fetoprotein producing tumor of the chest wall].

1985 
55才,男性.肝硬変にて加療中, alpha-fetoproteinの上昇をみたため精査目的にて当科に入院となつた.入院後肝シンチグラム, body CTスキャン,腹腔動脈造影を施行したが,肝癌の存在は否定的であつた.一方この間, alpha・歪etoproteinは漸増傾向にあり,ガリウムシンチグラムを施行したところ,約2年来存在する右胸壁腫瘍の部位に一致してガリウムの著明な集積をみたので,同腫瘍を経皮的に生検した.その結果,悪性上皮性胸壁鍾瘍と判明し,他に原発巣と思われる部位や転移巣を認めなかつたので摘出術を施行した.術後alpha-fetopmteinは著明に低下し, 2カ月後にはほぼ正常に復した.腫瘍中alpha・fetoproteinは1.5μg/g湿重量であつた.腫瘍の病理組織学的確診は困難であつたが,肝癌の胸壁転移あるいは胸壁発生の奇型腫群腫瘍の1型の可能性が考えられた.本腫瘍はConcanavalinAの非吸着率を考慮に入れるとyolk sac由来の腫瘍の可能性が高いと考えられるが,原発巣が非常に微小で転移巣の方が先に顕在化した原発性肝癌の胸壁転移も全く否定はできず,今後肝癌の有無のfollow upが必要と思われるが,いずれにせよ興味深い症例と考えられた.
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