Thermal Decomposition of Metal Salts of Carboxylic Acids

1967 
カルボン酸金属塩の熱分解機構を総合的に整理し検討する研究の一環として, 5 種類の脂肪酸の1 1 種類の金属塩の熱分解反応をしらべた。金属塩の熱分解開始温度は, 金属の電気陰性度が増加するほど, また脂肪酸の炭素数が減少するほど, 低くなる傾向にある。また, アルカリ金属塩, アルカリ土類金属塩からはケトンのみが生成するが, 重金属の塩からは, ケトンの他に酸および酸無水物が生成する。これらの事実は, 標準状態における熱力学的計算の結果と傾向がよく一致し, 金属の酸化物と炭酸塩との相対的な安定性が熱分解生成物の種類を規定する重要な因子であることを示唆するものであり, 金属の脱離を律速段階とする4 員環遷移状態を含む求核的な機構でよく説明される。また酸無水物がケトン生成の中間体であると考える説は否定される。
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