1 膠原病における肺病変―肺の線維化炎症と血管炎

2006 
膠原病は全身性自己免疫性炎症性疾患である。おもな病変部位は全身の血管,結合組織であり,これらが豊富に分布する呼吸器(気管支,肺,胸膜)はしばしば膠原病固有の病態による病変を示す。膠原病のサブセットには,全身性エリテマトーデス(SLE),皮膚筋炎,多発性筋炎,強皮症,シェーグレン症候群,関節リウマチ,混合性結合組織病,抗リン脂質抗体症候群,抗アミノアシル tRNA 合成酵素抗体症候群などがある。膠原病固有の肺病変としては,表 1 に示すような多種多様な病変がある。それぞれのサブセットでの出現頻度の特徴もみられる(表 2)。本稿では,膠原病の肺病変のなかでも,病態の中心が線維化である間質性肺炎と血管炎に焦点をおくこととする。膠原病性間質性肺炎についての理解は,特発性間質性肺炎との比較からはじめることで理解しやすくなり,問題点も整理される。
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []