1-ビニルピレンの電解酸化重合およびポリ(1-ビニルピレン)の電気化学的ドーピングと生成する高分子の導電率

1986 
非共役系導電性高分子の開発とその応用に関する研究の一環として, 1-ビニルピレンの電解酸化重合ならびにポリ(1-ビニルピレン)の電気化学的ドーピングおよび得られた高分子の導電性について検討した。サイクリックボルタンメトリーの知見に基づき, 支持電解質n-Bu4NClO4を含むジクロロメタン溶液中で1-ビニルピレンを定電位陽極酸化することにより, 電気化学的にドープされた高分子が作用電極表面に析出した。また, ジクロロメタン溶液中のポリ(1-ビニルピレン)あるいはアセトニトリル中電極表面に製膜したポリ(1-ビニルピレン)を定電位陽極酸化することにより, 電気化学的にドープされた高分子が得られた。電気化学的にドープされた高分子は, ClO4-をドーパントとして含む部分酸化されたカチオンラジカル塩である。得られた高分子の室温導電率および電気伝導の活性化エネルギーは, ドーピング率に依存し, ドーピング率35%のとき, それぞれ10-7S・cm-1および0.41eVであった。加圧により導電率は可逆的に変化し, 120kg・cm-2および2900kg・cm-2加圧下における導電率は, 常圧下におけるそれとくらべて, それぞれ1ケタおよび2ケタ大きな値を有することが示された。
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