僧帽弁位に用いた Ionescu-Shiley 弁の長期遠隔成績

1996 
1980年4月から1984年10月までに Ionescu-Shiley Pericardial Xenograft (ISPX) により僧帽弁置換術73例を施行した. 経過観察期間は最長14年余となりこれらの長期遠隔成績, 再弁置換術の現況につき検討した. 従来, 生体弁ではみられないと考えられていた弁尖の亀裂による弁機能不全例の報告が相次ぎ, 教室でも術後3年後に同様な症例を経験した. 術後5年を経過するころより徐々に進行する弁尖の変性による弁機能不全に対し心エコー検査を主体とした厳重な経過観察のもとに再手術を行ってきた. %reoperation free rate は, 5年で88.5±8.7%, 10年で55.7±14.5%であった. 再手術は, 他の生体弁と同様, 術後5年以降徐々に増加する傾向にあった. 実測生存率は, 10年で67.2±12.1%, 血栓塞栓症非発生率は10年で84.6±9.8%であった. 待機的再弁置換術の予後は良好で, 今後も時期を失することなく可及的に再手術をすすめていく予定である.
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