Paclitaxel (Taxol) 投与中に腸管壊死を生じた局所進行乳癌の1例
2007
症例は84歳, 女性。左乳頭部の糜爛と乳房腫瘤を主訴に当科受診. 左乳房E領域に乳頭部の糜爛を認め, CD境界部に4.7cmの弾性硬の腫瘤を触知した。画像診断にて肺転移を伴う局所進行乳癌 (いわゆるpagetoid spreading) と診断し, trastuzmab単剤による治療を施行した。しかし, 効果乏しくweekly法によるpaclitaxelを併用した。1コース休薬期間中に, 突然の腹痛を生じ, 保存的治療施行するも軽快せず, 開腹術を施行した。横行結腸を中心とし, 広範囲に結腸壊死をきたしており, 病理組織学的所見では虚血性腸炎であった。自験例は, 高齢者で糖尿病などもあり虚血性腸炎のリスクは比較的高いが, paclitaxelが広範囲にわたる腸管壊死の増悪因子となった可能性が示唆された。
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