日本人の食事摂取基準(2005年版)の概念

2006 
従来からの栄養所要量には種々の概念をもつものが含まれていたので理解が困難で,適用の際,混乱や誤用が生じていた.このため,アメリカ/カナダでは1994年に食事摂取基準の概念を提唱し,推定エネルギー必要量,推定平均必要量,推奨量,目安量,上限量の5指標を定義した.2005年に策定された『日本人の食事摂取基準(2005年版)』ではさらに目安量から概念の異なる目標量が分離された.しかし,習慣的な摂取量のデータベースがないので,栄養評価・判定,計画に適用できない現状である.個人の習慣的な摂取量が推定平均必要量であると,必要量充足率は50%,推奨量であると97.5%である.推定平均必要量以下の個人は推奨量をめざす.集団では推定平均必要量以下の割合を2.5%以下にする.個人の摂取量が目安量以上であると,必要量充足率は非常に高い.集団の摂取量中央値が目安量であると,充足していない人びとの割合は非常に少ない.目標量あるいは示された範囲内であると,生活習慣病のリスクは相対的に低い.集団では目標量に達していない,または範囲外の割合を5%以下にする.
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