嚢胞内乳頭癌の形態を示した乳腺neuroendocrine ductal carcinoma in situの1例
2009
われわれは神経内分泌細胞腫瘍の特徴を示す嚢胞内乳癌を経験した.症例は91歳,女性.右乳房腫瘤を主訴に来院した.右乳房CD領域に2.5cmの表面平滑,境界明瞭の可動性良好な腫瘤を触知し,超音波検査では境界明瞭な嚢胞性病変で内部に隔壁および壁在結節を認めた.嚢胞内腫瘍が疑われて腫瘍広範囲切除を行った.肉眼的には最大径2.0cmの嚢胞性腫瘤で,この中に0.5cmの小嚢胞を2個認め,小嚢胞内に乳頭状に増殖する充実病変が存在した.組織学的に乳頭状病変は硝子化した間質と血管組織が介在しており,浸潤所見や周囲乳管内への進展は認めなかった.腫瘍細胞は包体が広く,好酸性顆粒を有し,核グレード2,ER陽性,PgR陽性,HER-2陰性であった.大半の腫瘍細胞が神経内分泌細胞マーカーであるシナプトフィジン,クロモグラニン陽性であった.本腫瘍は嚢胞内乳頭癌の形態を示したNE-DCISと考えられたため報告する.
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