A Genetic Study of Cytokines in Ulcerative Colitis

1994 
潰瘍性大腸炎(UC)の病因・病態にサイトカインの役割が注目されている.今回われわれはUC患者の腸管上皮におけるTNF-α,IFN-γ,IL-2,IL-6 mRNAの発現をreverse transcription-coupled polymerase chain reaction (RT-PCR) を用いて検討した.対象はUC患者16例(活動期7例,緩解期9例)であり,大腸疾患を有さない17例(対照群)と比較した.その結果(1)UC患者のTNF-α,IFN-γ mRNAは対照群と比較して有意に発現増強を示した(p<0.01, p<0.05)が, IL-2, IL-6では差を認めなかった.(2)UC患者のTNF-α,IFN-γ mRNA発現は,炎症の程度による明かな差はみられなかった.(3)活動期,緩解期との比較でも有意差はなかった.以上より,UC患者では炎症の程度や病期分類にかかわらず,TNF-αやIFN-γ mRNA発現が亢進しており,これらのサイトカインの直接的な,もしくは接着因子の誘導やリンパ球の活性化を介した間接的な組織障害がUCをおこさせる誘因になっている可能性が考えられた.
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