[General pharmacological action of 4-(o-benzylphenoxy)-N-methylbutylamine hydrochloride (MCI-2016, bifemelane hydrochloride). Influence on respiratory and cardiovascular systems, renal function, autonomic nervous system, isolated smooth muscle and digestive organs].

1986 
MCI-2016(bifemelane hydrochloride)の一般薬理作用を呼吸・循環器系,腎,自律神経系,摘出平滑筋及び消化器系について検討を加えた.MCI-2016は麻酔犬の呼吸,血圧,心拍数ならびに心電図に対し,1 mg/kg, i.v. では殆んど影響を与えず,3 mg/kg, i.v. でも軽度な変化を示した程度であったが, 10 mg/kg, i.v. では呼吸数の顕著な増加,全身血圧の明らかな下降,心拍数の有意な増加あるいは減少ならびに心電図の軽度変化を示した.なお,血圧,心拍数および血流量は高用量で二相性に変化する場合があった.一方,無麻酔犬の血圧,心拍数ならびに心電図に対しては50 mg/kg, p.o. の4週間連投によっても有意な影響はなかった.摘出心臓の心拍数及び心収縮力に対してMCI-2016は10-5 g/mlあるいは30 μg, i.a. 以上で抑制的に作用した.心臓の刺激伝導系に対しては3 mg/kg, i.v. 以下では影響なく,10 mg/kg, i.v. で抑制を示した.MCI-2016は静注あるいは動注により軽度な脳血流(椎骨動脈,内頸動脈,大脳皮質局所)あるいは大腿動脈血流量の増加を示した.冠血流量は高用量で軽度に増加した.なお,MCI-2016は脳酸素代謝率に影響を与えず,心筋酸素消費量を低下させた.腎機能はMCI-2016 10 mg/kg, i.v. あるいは300 mg/kg, p.o. で抑制された.MCI-2016はNEの血圧上昇および瞬膜・輸精管の収縮作用を増強したが,抗コリン作用は極めて弱く,胃腸管運動およびcarbacholによる唾液分泌を軽度亢進させた.摘出平滑筋に関しては,MCI-2016は10-6 g/ml以上でhigh K+による血管収縮を抑制し,10-5Mあるいはそれ以上で各種agonist(ACh,histamine,5-HT,BaCl2)の作用ならびに子宮,腸管運動を非特異的に抑制した.MCI-2016はラットのCCl4肝障害を悪化させず,胆汁分泌にも影響を与えなかったが,ストレス潰瘍および胃酸分泌を抑制する一方で,胃障害(125 mg/kg, p.o. 以上)を発現した.
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