Two Cases of Esophageal Cancer with Portal Hypertension Treated with Esophagectomy with Venous Shunt Procedure

2006 
食道癌患者のうち約4~6%に肝硬変の合併が認められるが, それらの患者における術後合併症の発生率は高く, 手術成績が不良であることが知られている. 今回, 我々は門脈圧亢進症合併食道癌症例に対し, 胃管のうっ血を改善するために微小血管吻合を付加し, 縫合不全なく, 経過良好であった症例を経験したので報告する. 症例1は肝硬変による門脈圧亢進症を合併した3型食道癌であり, 食道亜全摘後に左胃静脈と前頸静脈の吻合を付加した. 症例2は肝炎により門脈圧亢進症を合併した2型食道癌であり, 左胃静脈と内胸静脈の吻合を付加した. 両症例とも血管吻合後, 肉眼的に胃管のうっ血が解消され, 術後, 縫合不全, 出血などの合併症を認めなかった.
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