Polysaccharide K の追加投与が肝転移を消失させたと思われる1 例

2008 
胃癌の肝転移に関しては様々な治療法が試みられているが,効果の持続や再発に対していまだ問題点が残されている。polysaccharide K(PSK)の投与と化学療法を併用することで腫瘍の縮小効果を認めた症例の報告があり,また胃癌術後補助化学療法を対象とした臨床経験のメタアナリシスにより,化学療法単独よりもPSK を併用投与することで予後の改善効果があるとされている。しかしながら,その投与により病状が著しく改善する症例はまれである。今回われわれは胃癌の肝転移に対し,低用量のUFT およびPSK の投与を行い肝転移巣の縮小と腫瘍マーカーの改善を得た症例を経験した。症例は78 歳の男性,胃癌の同時性肝転移症例であった。胃切除およびmicrotase coagulation therapy(MCT)を行い術後補助化学療法としてUFT 300 mg/dayの投与を行っていたが,術後6 か月で肝転移巣の再発,肝新病変の出現を認めた。この治療としてPSK の追加投与のみを選択したところ,肝病巣は消失,腫瘍マーカーも正常化し,術後38 か月無再発生存中である。
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