小規模施設における輸血療法の問題点と対策―外来輸血,在宅輸血を含めて

2016 
◎輸血療法は一種の臓器移植で重大な副作用を伴う危険性があり,大規模・中規模施設を中心として輸血管理体制が整備されてきた.一方,超高齢化社会を迎える医療情勢のなか,医療提供体制が在宅へとシフトしており,輸血療法も例外ではない.しかし,在宅での医療を担う小規模施設の輸血管理体制,外来輸血・病院外輸血には明確な指針がないのが現状である.厚生労働省の委託を受け日本輸血・細胞治療学会が実施した全国調査により,①小規模施設では職員配置など困難もあるが,仕組みの整備により改善可能な問題点がある,②外来輸血では帰宅後の副作用対策について問題点がある,③病院外輸血では検査実施体制,輸血実施体制,輸血副作用体制など整備すべき課題が多い,ことがわかった.すでに各都道府県合同輸血療法委員会などでは有用な活動内容が公開されており,それらを有効活用しつつ,今後の学会活動により啓発をはかる必要がある.
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