Studies on the Abnormalities of Carbohydrate Metabolism and Insulin Secretion in Liver Injuries

1977 
各種肝疾患323例に100gブドウ糖負荷試験および免疫インスリン(IRI)測定を施行し,肝障害時の糖代謝異常をインスリン動態の面より検討した.すなわち肝疾患ではすべて糖尿病に比べ30分ΔIRI/ΔBSは高値を示すが,正常と比べると急性肝炎急性期では低値,回復期には正常化の傾向をみた.また肝硬変では肝疾患のうち最も低い30分ΔIRI/ΔBS値であり,これは糖尿病病態に近いことを示唆する.糖尿病合併肝疾患は糖尿病と肝疾患の間の30分ΔIRI/ΔBS値を示した.肝疾患では30分ΔIRI/ΔBSは耐糖能異常の程度と負の相関関係を示し,糖尿病型は糖尿病合併肝疾患に比べ高値であった.慢性肝炎非活動性の糖尿病型は肝疾患の糖尿病型のうち最も低い30分ΔIRI/ΔBS値を示し,膵β細胞障害の共存が示唆された.糖負荷時のIRI面積(ΣIRI)および血糖面積の比(ΣIRI/ΣBS)では,肝疾患は正常や糖尿病に比し高値を示し,ΣIRIは耐糖能異常の程度と正の相関関係を示し,肝疾患では膵インスリン分泌の亢進が示唆された.
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