Clinical efficacy and optimal dose of ST-630 (falecalcitriol) in secondary hyperparathyroidism in patients undergoing hemodialysis

1997 
慢性腎不全に伴う二次性副甲状腺機能亢進症に対する新規の活性型ビタミンD3製剤falecalcitriol (ST-630) の有効性・安全性および至適投与量を二重盲検法による群間比較にて検討した. 最終全般改善度の判定は開始時に対するHS-PTHの変化率を指標に行ったところ, 各群の改善率 (「改善」以上の判定) は0.05μg/日群で31%, 0.15μg/日群で38%, 0.3μg/目群で59%であった. HS-PTHは0.05μg/日群で約20%の有意な上昇, 0.15μg/日群では上昇傾向がみられたが, 0.3μg/日群では約10%減少し, 0.05μg/日群と0.3μg/日群の間に有意差がみられた. このようにfalecalcitriolは用量依存的にHS-PTHの上昇抑制ないし低下作用を示した. C-PTHについてもHS-PTHと同様の変化がみられ, 0.3μg/日群での低下はC-PTHの方が明確であった.概括安全度については, 非安全率 (「ほぼ安全」以下と判定された症例) が0.05μg/日群2%, 0.15μg/日群9%, 0.3μg/日群20%であった. 0.3μg/日群の主な副作用としては高カルシウム血症が3例に, また徐脈・胸部違和感が1例に発現した. 高カルシウム血症発現例における血清カルシウム (アルブミン補正値) は最高で12.3mg/dlであったが, いずれも発現から20日以内に回復し, 特に問題とはならなかった. 血清カルシウムの平均値は0.3μg/日群でも投与期間を通じて正常範囲内を推移し, 血清リンの上昇も認められなかった. 重篤と考えられる副作用は0.15μg/日群の1例で肝機能障害が認められたが投与中止により軽快した.以上のようにfalecalcitriolは0.3μg/日投与により慢性腎不全に伴う二次性副甲状腺機能尤進症に対し優れた有効性を示し, 有効性・安全性の両面を考慮すると至適投与量は0.3μg/日であると考えられた.ただし, 高カルシウム血症には十分な注意が必要であり, 適切な間隔で血清カルシウムを検査することが安全性を確保する上で重要と考えられた.今後は, 今回把握された至適投与量を用いて対照薬を置いた客観的な比較試験, 長期投与時の有効性,安全性の検討, さらには骨病変に対する効果の検討などが必要と考えられた.
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