精神科救急における薬物療法の変化―平成(H)9年、H18年の救急対応の比較―

2008 
本研究では,平成(H)9年とH18年に岩手医科大学附属病院救急外来を受診した精神科例(H9年568例,H18年1,811例)を対象として,各年受診例の背景と対応方法を比較し,その中の統合失調症例と気分障害例への対応について両年間の差異を検討した。疾患群では,気分障害が占める割合が増加しており,全体では身体症状を有して救急外来を受診した症例が増加していた。精神科救急では,精神症状に加え,身体症状の診断・治療を行うことが増加していると考えられた。具体的治療方法では,精神科救急の全体的傾向として注射剤が使用される頻度が高く,この点に関しては,統合失調症と気分障害の対応においても同様の傾向が示された。身体症状をもつ精神科救急受診例が増加している現状を考慮すれば,より安全な対応を行うためにも,精神科救急外来対応における注射剤使用を減らすことが当院精神科救急の課題であると考えられた。 Key words :psychiatric emergency, acute treatment, mood disorders, schizophrenia
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