Electrocardiographic changes before myocardial infarction

2000 
近年我が国でも食生活の欧米化や年齢構成の高齢化により, 急性心筋梗塞が増加している.本研究では, 心筋梗塞発症の1カ月以内の狭心症状出現時に標準12誘導心電図を記録していた207例 (男性155例, 女性52例, 平均年齢64.1歳) の心電図を解析した.症例は前壁, 側壁梗塞をA群 (133例) , 下壁, 後壁梗塞をB群 (74例) に分類した.梗塞発症前のST部分, T波, U波の異常所見を前壁誘導 (V1-V5) , 側壁誘導 (I, aVL, V6) , 下壁誘導 (II, III, aVF) に分類し, 年齢, 性別の一致した健常者 (コントロール群) の心電図と比較した, A群の有意所見は前壁誘導における0.1mV以上のST低下 (23%, p<0.01) , 二相性T波 (27%, p<0.01) , 陰性T波 (23%, p<0.01) , 二相性U波 (32%, p<0.05) , および陰性U波 (30%, p<0.05) であった.また, 側壁誘導における対称性T波 (23%, p<0.01) もA群で有意に多く認められた.B群では下壁誘導における二相性T波 (14%, p<0.001) , T波終末部陰転 (21%, p<0.001) , および二相性U波 (8%, p<0.01) が有意所見であった.心筋梗塞発症前には特徴的な心電図変化が出現していることが多く, 心筋梗塞の発症と梗塞部位の予知の可能性が示唆された.
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