抗糸球体基底膜(GBM)抗体型糸球体腎炎
2016
◎抗糸球体基底膜(GBM)抗体型糸球体腎炎とは,血清学的検査で抗GBM 抗体が検出され,組織学的にIgG の係蹄壁への線状沈着を伴う半月体形成性糸球体腎炎とされている.また,2012 年のChapel Hill ConsensusConference(CHCC)において,抗糸球体基底膜病として血管炎症候群における小型血管炎のひとつに位置づけられている.何らかの外的因子により,Ⅳ型コラーゲンα3α4α5分子のnon-collagenous-1 ドメイン三量体-三量体接合部が解離,その立体構造変化が加わることにより,抗原エピトープが露出して抗体産生が起こり,感受性のある個体に作用したときに発症するものと推測されている.本疾患においては,副腎皮質ホルモン大量療法,シクロホスファミドと血漿交換療法の併用が標準治療法とされている.わが国においては,治療開始時の腎機能はすでに悪化した状態であることが多く,また,その予後は5 年生存率53.5%,5 年腎生存率18.8%と不良であり,とくに肺病変合併例ではより予後不良である.そのため多くの症例で,より早期の診断と速やかな治療がなされる必要がある.
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