A CASE OF FALSE REDUCTION OF AN INGUINAL HERNIA

2010 
症例は56歳,男性.左鼠径ヘルニア嵌頓の還納後も持続するイレウスにて当院紹介受診となった.入院時,鼠径部に腹腔内臓器の脱出は認めず,腹部膨隆と左下腹部痛の持続を認めた.腹部CTでは,限局性の著明な壁肥厚を伴う拡張腸管および腹膜前腔から陰嚢におよぶ水腫を認め,還納トラブルに伴う絞扼性イレウスが疑われ,緊急手術を施行した.開腹にてアプローチすると,約20cmの小腸が線維性に肥厚したリング状の腹膜を絞扼輪とし,ヘルニア嚢に包まれ絞扼されたまま腹膜前腔に落ち込んでおり,鼠径ヘルニア偽還納と診断した.絞扼輪を切開しイレウスを解除し,ヘルニア修復は鼠径よりアプローチしKugel法にて修復した.極め稀な病態である鼠径ヘルニア偽還納について,その成因・診断・治療法について文献的考察を加え報告する.
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