急性前壁梗塞における前胸壁QT interval map

1987 
急性前壁梗塞において, 前胸壁QT時間の空間的分布 (前胸壁QT interval map) とその経時的変動, および前胸壁QT interval map所見と急性期心室性不整脈重症度との関連を検討した.正常20例と急性前壁梗塞32例で, 入院時, 発症後24時間, 72時間に前胸壁36点から心電図を記録, 各点のQTcから前胸壁QT interval mapを作成した.また発症後1週間の心室性不整脈の重症度により3群に分類した.結果 (1) 急性前壁梗塞では入院時 (発症後平均5時間) にV2~V4領域で最短QTを, 24時間後には同部で最長QTを示す例が多く, 最長, 平均および最長と最短の差のQTは入院時に正常者より大で, 24時間後に著明に延長し, 72時間後には短縮した. (2) 入院時の前胸壁QT interval map上, 最長および差のQTは心室頻拍群で有意に延長し, 最長QT0.48秒以上かつ差のQT0.08秒以上を示す例が多かった.急性前壁梗塞の前胸壁QT時間は正常例と異なり, 特徴的な空間的分布と経時的変動を示し, 発症早期の前胸壁QT interval mapは急性期心室性不整脈重症度判定に有用と考えられた.
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