Marfan 症候群に合併した AAE, Ar,漏斗胸に対し Bentall 手術および胸骨部分翻転挙上術を同時に施行した1例

2010 
Marfan症候群に大動脈弁輪拡大症(AAE),大動脈弁閉鎖不全症(Ar)と重症漏斗胸を合併する症例では,時に陥凹した胸骨が心臓や大動脈瘤に極めて近接している場合がある.このような症例の手術の際には胸骨正中切開時の心臓や大動脈瘤の損傷の危険や,漏斗胸を端整しなかった場合術後の胸骨による心大血管への圧排といった問題点がある.また美容上の問題も軽視できない.今回我々はこのような症例に対し,胸骨の尾側2/3を周囲の肋軟骨を含め大きく切除遊離し,過剰形成した肋軟骨を除去した後に形成した胸骨を翻転し胸郭を再構築する胸骨部分翻転挙上術をBentall手術と同時に行った.この同時手術はこのような症例の開胸時の心大血管損傷の回避と良好な視野の確保,また術後の胸骨圧迫による血行動態の不安定性の回避,そして美容上の観点からも有用であると考えられたので報告する.
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