グラフィックデザインによるマス・イメージの創造と課題 : 徳島大学大学開放実践センターにおける実践と理論
2009
本稿は,筆者の一人である吉岡が従事してきた徳島大学大学開放実践センター印刷物のデザインワークをレビューし,各々の作品のコンセプトや方法を記述すると共に,グラフイックデザインの史的背景との関連について考察したものである。吉岡のデザインワークをモチーフ,テクニック,スタイルの観点から初めて分析的に吟味した試論(私論)と言える。
本稿では初めに,デザインワークのターゲットによる分類,ビジュアルイメージによる分類を試みた。その上で,実践的・理論的到達点を確認すると共に,成果と課題とを整理した。吉岡にとって最も大きな成果は,個々のデザインワークに従事することを通じて,タイポグラフィやフォントなどの多様性と歴史的蓄積を学び得たことである。また,グラフィックデザインの歴史を紐解くことで,実作の史的位置づけについて考察を深めることができた。
デザインワークの本質は,作品におけるメッセージの明確化にある。メッセージは,ガイドブック等のマス・イメージの中に貫通していなければならない。その意味では,試行錯誤を伴いつつも,実作のレベルでそれなりの成果を上げてきたが,課題もまた多い。
本稿は,デザイン教育におけるターゲット・オリエンテッドな方法論の開発に至る予備的・基礎的作業の一環としても位置づけることができる。
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