An autopsied case of adult type citrullinemia complicated with large hepatocellular carcinoma.

1991 
症例は26歳の男性で1979年に頭痛,嘔吐を主訴に前医に入院.高アンモニア血症と血中シトルリンが正常の10倍以上に上昇し肝細胞内アルギニノコハク酸活性の量的異常(正常対照の50%)によりシトルリン血症と診断された.1日10gの低蛋白食にて高アンモニア血症は改善し1982年に退院した.全身倦怠感,黄疸を主訴に1987年9月に当科に入院となった,入院時血中AFPの異常高値と腹部CT検査により肝左葉から右葉前区域を占める巨大な肝癌が認められた.入院後46日目に食道静脈瘤破裂で死亡した.剖検所見では成熟型の肝細胞癌と非癌部肝組織には線維化が見られた.剖検時に得られた肝細胞内アルギニノコハク酸活性の量的異常は8年前のそれと同程度であった.シトルリン血症と肝癌の本邦での合併例をまとめその関連性について若干の考察を行った.
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