A Case of Nonocclusive Mesenteric Ischemia induced by Diabetic Ketoacidosis due to Fulminant Type 1 Diabetes

2010 
症例は64歳の男性で,主訴は嘔吐で,見当識障害・起立困難で救急車で当院に搬送された.検査所見から糖尿病性ケトアシドーシス・膵炎と診断した.翌日,腹部所見の増悪,Creatine Kinaseの急激な上昇,CTにおいて腸管の拡張や肥厚が増悪し胸腹水が出現したことより,腸管壊死を疑い緊急手術を施行した.上腸間膜動脈とその主幹血管の拍動は良好であったが,回腸末端近くの小腸が斑状に壊死していたため,小腸部分切除を施行した.来院時HbA1cが正常で,尿中Cペプタイドが低値であったことから,劇症1型糖尿病に伴った非閉塞性腸間膜虚血症(NOMI)と診断した.術後経過は良好であった.NOMIは腸間膜動脈の攣縮によって生じる腸管虚血であり,全身の低潅流状態が誘因で起こる.糖尿病性ケトアシドーシスなど循環虚脱を来す疾患は,NOMI発症のリスクが高いにもかかわらず意識障害を来すため診断の遅れが予想され,経時的な腹部所見の診察,画像検査が肝要である.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    13
    References
    3
    Citations
    NaN
    KQI
    []