無月経を伴い若年女性に発症した肝原発 epithelioid hemangioendothelioma の1例

2001 
症例は16歳女性. 無月経にて産婦人科受診中貧血, 肝機能異常を指摘され来院. 肝脾腫があり血液検査上軽度貧血, 凝固能低下, 肝胆道系酵素の上昇を認め当科入院となった. 腹部超音波上低エコー域と高エコー域が混在する腫瘤性病変を認め, 21G針にて腫瘍生検を施行した. 腫瘍組織では硝子様間質に沿って異型細胞が分布し, 細胞質内微少血管類似の構造も認められた. 免疫組織染色にて第VIII因子関連抗原陽性, CD 34陽性および電顕にて血管内皮細胞の構造が見られ, 肝原発 epithelioid hemangioendothelioma (EHE) と診断した. 肝移植の適応と考えられ生体部分肝移植を試みたが開腹時腹膜播種を認めたため中止した. 無月経の原因として, ホルモン検査にて黄体化ホルモン (LH) は低値であるが, ゴナドトロピン放出ホルモン (GnRH) に対する反応は正常であるため視床下部機能不全が疑われ, 肝疾患に伴う無月経が示唆された.
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