輸血療法の有害事象の検索:ヘモビジランス―その現状と将来

2010 
ヘモビジランス(輸血の安全監視体制)とは,「献血者の選択から患者の追跡調査に至るまでの輸血の全過程を前向きに監視することによって,有害および未知の事象を検出し,その原因を分析・評価し,必要な対応策を示しあるいは事前に警告を発する等によって有害事象の再発および被害の拡大を防ぐこと」である.2008年より“日本における輸血副作用のサーベイランスシステムの構築”研究班で,Web を介した施設格差のない信頼性のある輸血副作用の全数管理システムの整備を開始した.2010 年から大学輸血部 34 施設があらたにサーベイランスに加わった.今後,サーベイランス参加の医療機関が全国へと拡大することで,これまで自発報告に基づくサーベイランスを行ってきた日本赤十字社の事業を補完することができる.こうした基盤整備は世界の標準にもマッチしており,日本の輸血副作用の完全な把握につながり,輸血医療に対する行政と血液の安全性確保に貢献するものである.
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