A Case of Localized Primary Sclerosing Cholangitis.

2003 
症例は68歳の男性. 黄疸を主訴に入院. 経皮経肝胆嚢造影にて, 総肝管に限局した狭窄像を認めたため, 胆管癌を疑い開腹手術を施行した. 手術時上部胆管に限局した狭窄部を含めた肝外胆管切除, 胆嚢摘出術, 肝管空腸吻合術を施行した. 病理組織学的に, 狭窄部には悪性所見を認めず, 胆管周囲の繊維化と著明な慢性炎症浸潤を認め, 限局型の原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis; PSC) と診断された. 術後8か月を経過した現在, 再発の兆候もなく健在である.過去の文献的考察をふまえ, 本症例のような限局型PSCは, びまん型で予後不良な定型的PSCとは, 明らかにその臨床像と経過が異なっており, 同一疾患として扱うことの妥当性について, 今後検討を加えるべきと考えられた.
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