[Comparison of the effects of dobutamine with dopamine and isoproterenol on inotropism and chronotropism in the mammalian heart (author's transl)].
1979
Dobutamineの迷走神経切断麻酔開胸犬の心室壁筋の収縮力・心拍数・末梢血圧への作用および摘出犬心室乳頭筋の収縮力・電気的特性、摘出家兎洞房結節の電気的特性への作用を,dopamineおよびisoproterenolと比較検討した.Dobutamineによる血圧上昇効果はdopamineのそれに比べそれぞれ10-4g/kgの用量で約25%小さい値を示した.三者共に濃度依存性に開胸心室壁および摘出乳頭筋の収縮力を増加させるが,その用量比は前者でdobutamine:dopamine:isoproterenol=1:0.8:40,後者で=1:0.7:11lであった.乳頭筋の収縮力増強効果と共に細胞内活動電位第二相の電位の著明な上昇がみられるが,初期脱分極相の最大立上り速度,静止電位および静止膜の抵抗の変化はみられなかった.また三者共に開胸心における心拍数を増加させ,その用量比は=1:1:300であった.摘出洞房結節の歩調取り電位の放電頻度を増加させるが,その増加率は摘出乳頭筋に同程度の陽性変力効果をもたらす濃度,dobutamine1×10-6g/ml,dopamine1.4×10-6g/ml,isoproterenol 9×10-8g/mlにおいてそれぞれ対照の150±14%,138±12%,216±20%であった.この効果は緩徐脱分極相の傾斜の上昇に密に依存していた.これらの陽性変力・変時作用はβ-遮断剤で抑制された.Reserpine処理はdopamineのこれらの作用を著るしく低下させたがdobutamineおよびisoproterenolの作用には無影響であった.以上の結果は,dobutamineが変時作用より強い変力作用をもち,この作用はdobutamineの心筋への直接作用によることを示す.
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