Model-Based Predictive Adaptive Control of Pulp and Paper Mill Processes

2006 
紙パルププロセスでは,動作が緩慢で変動が大きく,むだ時間が長いプロセスが多く,従来の制御方法の適用が難しかった。従来はカスケード制御,変動モデルパラメータ,あるいはフィードフォワード制御などの従来方式を採用していたが,制御が安定しない為,生産性,製品品質等に影響が出ないように,安全係数を見て操業していた。BrainWaveを商標とするモデルベース予測制御(MPC)は,PID制御が十分に機能しない各プロセスの制御の問題に優れた解決策を提供し,プラント制御を最適化するための理想的なツールと成る。MPCの内部モデルは限りなく実プロセスに近づき,更にプロセス応答中のむだ時間を効率良くモデル化したことにより,将来のプロセス応答の予測を可能として,設定値がすばやく修正・決定されその結果,オーバーシュートの防止などでプロセスを安定させる事ができる。MPCによる安定操業により,動作限界まで操業を改善する事で,省エネ・省人等エネルギーコストの削減,生産性,歩留まり,品質の向上を実現した事例として,ライムキルン制御,ダイジェスタ制御,苛性化設備スレーカ温度/苛性化率制御,パルプドライヤー制御リール白色度コントロールへの導入により,原単位,生産性,品質の向上事例を紹介する。
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