A useful scoring system for breast cytology diagnosis corresponding to the development of imaging modalities

2010 
目的 : 乳腺細胞診を合理的かつ安全に遂行するためには, 乳腺細胞診の判定の目安となる評価基準を具体化することが重要であるが, 今のところ乳腺細胞診における細胞判定区分の具体的な評価基準は設けられていない. われわれは, そのような評価基準の一つとして, 細胞異型 (A ; Atypia), 細胞二相性の喪失 (B ; Bipolarity loss), 細胞量 (C ; Cellularity), 細胞結合性の低下 (D ; Discohesion) の 4 項目を用いる乳腺細胞診の ABCD スコアリングシステムについて検討した.方法 : 乳腺穿刺細胞診が施行された 2192 例中, 生検や外科手術などにより病理診断が確定した細胞検体適正症例 942 例 (良性 ; 210 例, 悪性 ; 732 例)を対象として ABCD スコアリングシステムの成績を検討した.成績 : ABCD4 項目すべて (+) で ABCD スコアが 4 (+) の症例は 942 例中 319 例で 319 例全例 (100%) が悪性, 3 (+) の症例は 201 例で 198 例 (99%) が悪性, 2 (+) の症例は 96 例で 86 例 (90%) が悪性, 1 (+) の症例は 102 例で 55 例 (54%) が悪性, (+) の所見がない 0 (+) の症例は 224 例で 74 例 (33%) が悪性であった. また, (+) を 2 点, (±) を 1 点, (−) を 0 点としてポイント換算する評価方法による成績では, ABCD ポイント 8 点の症例は 942 例中 319 例で 319 例全例 (100%) が悪性, 7 点の症例は 195 例で 191 例 (98%) が悪性, 6 点の症例は 86 例で 79 例 (92%) が悪性, 5 点の症例は 77 例で 57 例 (74%) が悪性, 4 点の症例は 49 例で 24 例 (49%) が悪性, 3 点の症例は 43 例で 18 例 (42%) が悪性, 2 点の症例は 39 例で 11 例 (28%) が悪性, 1 点の症例は 63 例で 13 例 (21%) が悪性, 0 点の症例は 71 例で 20 例 (28%) が悪性であった.結論 : 以上の結果より, 乳腺細胞診の ABCD スコアリングシステムにおいて ABCD スコア 4 (+) あるいは ABCD ポイント 8 点の症例は全例悪性であり, ABCD スコアリングシステムと悪性腫瘍の頻度との間に一定の相関を認めることが明らかにされた. したがって, 確実な乳腺細胞診の診断を実践するうえで ABCD スコアリングシステムが非常に有用な指標であると考えられる.
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