A Case of Tinea Incognito Associated with Kerion Celsi and Tinea Barbae

1991 
40歳男性.10年来の足白癬あり.初診より約3か月前, 左頬部に癌痒を伴う紅斑が出現した.某皮膚科医にて湿疹と診断され外用ステロイド剤の加療を受け, 時に膿疱が出現し抗生剤の内服による治療をうけたが皮疹は軽快せず漸次増悪してきたため1989年5月当科を受診した。初診時, 顔面ほぼ全体に粟粒大の小水疱と膿疱が集簇する紅斑が多発していた.左こめかみ部, 上口唇左側, 下口唇左側には膿疱, 痂皮, 鱗屑痂皮をみる拇指頭大から半鶏卵大までの結節が認められた.所属リンパ節は触知しなかった.一般臨床検査では自血球10,900, 好酸球9%以外には異常はなかった.左こめかみと上口唇左側の結節の毛, 膿疱蓋, 左頬部の膿庖蓋のKOH直接検鏡にて菌要素を認めた.トリコフィチン反応は40×20mmで強陽性を呈した.生検時に採取した上口唇左側の組織片, 左こめかみ部と口唇部の毛, 顔面の膿疱, 口唇部の痂皮, 及び足の鱗屑からそれぞれTrichophyton rubrumを分離同定した.組織像は真皮上層に浮腫と血管拡張が見られ, 好中球を主体とする細胞浸潤を認めた.治療はイトラコナゾール1日1回100mgの内服をおこなった.内服18日目には紅斑, 結節の消退が認められたが, 左こめかみ部の毛髪, 左口唇部の須毛及び鱗屑の培養でT.rubrumは陽性であった.内服32日目に培養は陰性となり, 内服41日目には, 全ての皮疹は瘢痕も残さず治癒した.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []