On the Biological Control of Cyperus serotinus Rottb by Calamotropha shichito Maruno

1973 
1972年8月から11月にかけて, イツトガによるミズガヤツリの食害実態を宮崎県下の5地区において調査した。またイツトガの食性について, カヤツリグサ科の4草種を対象に, 場内において検討した。(1) イツトガによるミズガヤツリの食害は, 宮崎県下一円で認められた。食害茎率は, ミズガヤツリの発生分布が大きい沿海部で高く, 発生が点在している高台部では比較的低かった。(2) 食害の程度およびその推移は場所によって異なったが, これは気象, ミズガヤツリの発生状況などによってイツトガの経過習性に差異があるためではないかと考えられた。(3) 食害は茎だけに止まらず, 地下部の塊茎にまでおよぶものがあった。塊茎め食害程度が進むと塊茎は枯死する場合が多いが, ミズガヤツリの生育条件が良好であると枯死しない場合があった。(4) イツトガによる食害茎率は, 自然放任状態において, ミズガヤツリ: 100%, シチトウイ: 52%であったが, ホタルイでは食害茎が見られず, カヤツリグサ科の草本に対するイツトガの食性には選択性が認められた。最後に, ミズガヤツリの食害実態調査にあたって御協力いただいた宮崎県日向農業改良普及所, 日南農業改良普及所および都城農業改良普及所の関係者に対し謝意を表する。
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