≪電解質輸液のコントラバシー・ピットフォール≫ 周術期輸液とは?

2012 
[輸液量= 維持量+欠乏量+喪失量]である.手術,熱傷,敗血症では,機能していない細胞外液,つまり細胞内外を行き来できず,そこに溜まりとどまっている液(非機能的細胞外液)が出現する.非機能的細胞外液が貯留する場所がサードスペースである.術後 2,3 日からサードスペースに貯留した液が機能的細胞外液に戻る.これを refilling という.輸液剤で血管内にとどまる液量は,膠質液が晶質液より多い.膠質液を用い輸液量をしぼり気味にする conservative,restrictive な輸液に対して,晶質液のみによる liberal な輸液は総輸液量が多くなる.conservative,restrictive な輸液により,悪心・嘔吐・心肺合併症・再手術が減少し,腸管機能や組織の酸素化が改善し,入院日数が短縮するとの報告が増えてきた.
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