都市部在住高齢者における老年症候群改善介入プログラムへの不参加者の特性:―介護予防事業推進のための基礎資料(「お達者健診」)より―

2007 
目的 地域高齢者を対象に実施された老年症候群の改善介入プログラムへの不参加者の特性を明らかにすることを目的とした.対象と方法 2002年に実施された介護予防を目的とした包括的健診(「お達者健診」)の参加者(1,784人)のうち,転倒,尿失禁,うつ,低栄養の各老年症候群の改善介入プログラム対象基準に該当する607人(男性208人,女性399人)を選出し分析の対象とした.このうち介入プログラムに参加した者を「参加者」,参加しなかった者を「不参加者」とし特性を比較した.また,介入プログラムへの不参加の関連要因を明らかにするため,多重ロジスティック回帰分析を実施した.結果 介入プログラムへの全体の参加率は,男性16.8%,女性32.6%であった.多重ロジスティック回帰分析の結果,男性では,グループ活動(Odds ratio(OR)=2.46, 95% Confidence Intervals(CI)1.08∼5.59),心臓病既往(OR=0.38, 95% CI 0.17∼0.89),一方,女性では,居住形態(OR=0.53, 95% CI 0.34∼0.83),高脂血症既往(OR=0.54, 95% CI 0.34∼0.84)が不参加の関連要因としてあげられ,男性では,グループ活動に参加していない,心臓病既往が無いことが,女性では,同居者がいる,高脂血症の既往が無いことが不参加に関連していた.結論 介入プログラムへの参加には,個人の生活環境や社会活動性,既往症が影響することが示された.介入プログラムなど介護予防事業の実施にあたっては,個々の背景やニーズに合わせた内容と,様々な参加促進の工夫が必要であることが考えられた.
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