A case of renal transplantation with Fabry disease after introduction of enzyme replacement therapy

2006 
α-galactosidase Aの酵素補充療法を開始後に腎移植を施行したFabry病の症例報告はこれまでになく, 私たちは貴重な1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 症例は32歳男性, 13歳時にFabry病と診断された. 28歳で腎機能障害を指摘され, 32歳ですでに慢性腎不全であった. 2004年7月より慢性腎不全の改善を期待して保険承認された酵素補充療法を開始された. 酵素補充療法により, 四肢末梢の疼痛や血漿および尿中globotriaosylceramide (GL-3) は著明に減少したが, 徐々に腎機能障害は進行した. 2004年10月には血清クレアチニンが21.4mg/dLとなり, 尿毒症症状も出現したため, 血液透析を導入し, その約2週間後に父をドナーとした生体腎移植を施行した. 腎移植後の経過は良好であり, 現在も酵素補充を継続している. 腎移植後の酵素補充療法は移植腎へのGL-3沈着防止のために必要なだけでなく, むしろFabry病の重大な合併症である心血管疾患の予防に大変重要な治療であり, その指標には尿中よりも血漿中のGL-3を用いるべきと考えられた.
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