A CASE OF OBSTRUCTIVE COLITIS DUE TO RECTAL CANCER WITH PENETRATION TO THE MESENTERIUM AT THE ORAL SIDE OF THE TUMOR

2003 
症例は50歳の男性で,突然発症した腹痛のため当院救急外来を受診した.下腹部中心に腹膜刺激症状を認めたが,血液生化学的検査は異常なく,腹部CT上free airや腹水は認めなかった.その後も症状は軽快せず,再度施行した腹部CTにて骨盤腔内に少量の腹水を認めたため,消化管穿孔による腹膜炎の疑いにて緊急手術を施行した.少量の腹水と,直腸に全周性の腫瘍を認め, S状結腸は暗赤色に変色し,漿膜下からS状結腸間膜内に糞便が貯留していた.直腸癌による閉塞性大腸炎, S状結腸間膜内への穿通と診断し, Hartmann手術を施行した.肉眼的に5.3×3.6cmの亜全周性の2型腫瘍と,その口側に正常粘膜を介して8.0×6.5cmの穿通部を認めた.病理組織学的に主病巣は中分化腺癌であり,穿通部の漿膜下層には好中球浸潤,鬱血,出血が認められた.術後経過は良好で, 3カ月後に人工肛門閉鎖術を施行した. 3年10カ月経過した現在,再発の徴候を認めていない.
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