Spur Cell Anemiaを来たし肝不全で死亡したアルコール多飲者の1剖検例

1977 
spur cellの出現と溶血性黄疸を伴った肝硬変症の1剖検例を経験した.症例は,49歳の男性で,多年にわたる多量の飲酒歴を有し,高度の間接型ビリルビン優位の黄疸と腹水,脾腫および高色素性大球性貧血が認められ,とくに,末梢血中に特異な変形赤血球であるspur cellの出現が注目された.臨床的には,アルコールに起因すると考えられる非代償性肝硬変症に合併した溶血性貧血と診断したが,anti HBsが中途より陽性化したことより,HBウイルスとの関連も否定できない.溶血性貧血は進行性で,副腎皮質ホルモンにも反応を示さず,発黄後約4カ月で,肝性昏睡により死亡した.剖検の結果,組織学的には胆汁うっ滞像を伴う肝硬変(前硬変期)であった.さらに,spur cellの出現とその溶血をきたす因子は,患者血清中に存在すると考えられる実験結果が得られた.
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