Atelocollagen-Tendoncollagen Complex Membrane移植後の歯周組織再生に関する病理組織学的研究

1992 
本研究では, 歯周外科手術後の歯周組織再生を積極的に促進させる一手段として, atelocollagenにtendoncollagenを複合化した生体内溶解性膜を作製し, それを臨床応用するための基礎的検討を行った。実験方法は, ビーグル犬8頭を用い, 下顎左右側第2, 第3, 第4前臼歯に人工的に水平型骨欠損を作製し, コラーゲン膜移植を行った群および非移植群について術後3週, 6週における治癒反応を病理組織学的に検索した。その結果, コラーゲン膜移植群においては術後3週まで全ての標本で骨膜~ 歯根面間の結合織領域に沿って膜構造が残存し, さらに術後6週を経過しても, 約1/3の標本で膜構造が明瞭に残存していた。このような標本においては, 接合上皮の根尖側端は膜と近接して停止しており, 非移植群と比較して歯肉退縮ならびに接合上皮の深部増殖が抑制されていた。一方, 膜構造が不明瞭あるいは消失した標本においては, 非移植群と比較して歯肉退縮および接合上皮の深部増殖が抑制されたことに加え, 新生セメント質および新生骨ともに著しく歯冠側へ増殖していた。さらに, 歯根膜様構造を呈する所見が多数観察された。すなわち, 歯周外科手術時に生体内溶解性コラーゲン膜を応用することの有用性が示唆された。
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