Analysis of factors related to the development of postprandial hypotension during hemodialysis

1995 
血液透析患者のなかには非透析時には食後に低血圧症状を呈さないのに, 透析中の食後に急激に低血圧となり, 透析続行が困難となる例がいる. そこで, 血液透析中に食事性低血圧症 (PPH) を発現する患者 (PPH (+) 群, n=7) と食後も比較的安定した透析を行える患者 (PPH (-) 群, n=11) を対象にPPHの発現に関与する因子を検討した. PPH (+) 群とPPH (-) 群の間で, 年齢, 原疾患, 合併症, 透析期間, CTR, ECG異常, 血液学検査, 透析前後の血液生化学検査, 除水量と食事前後の血糖値にPPHと関連すると思われる項目を見出せなかった. PPH (+) 群とPPH (-) 群で有意な差があったのは, 食後の脈拍数の変化と移動能力であった. 食後の脈拍数はPPH (-) 群で増加が6例, 不変4例, 減少が1例であったのに対し, PPH (+) 群では不変が3例, 減少が4例と食後に脈拍数の減少する例が多かった. 移動能力に関しては, PPH (-) 群では全例自立移動ができていたのに対し, PPH (+) 群では7例中自立移動していた例は2例のみで, 5例は移動に車椅子介助を要していた.PPHは交感神経機能障害が原因とされており, また, 除水中は反射性交感神経活動が抑制されることが報告されている. 従って, 透析中は非透析時よりもPPHが発現しやすい状況にあり, 運動不足からくる反射性交感神経活動の低下が透析中のPPH発現に関与している可能性が考えられた.
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