TS-1による術前化学療法が奏効したBulky N2転移胃癌の1例

2004 
症例は62歳男性。胃内視鏡検査で噴門部から体上部の3型胃癌と診断され腹部CT 検査で小弯側から総肝動脈周囲に腫大したリンパ節の集塊を認めた(cT 3N 2H 0P 0M 0 StageⅢB)。手術根治性を高める目的でTS-1120mg/dayを4週間連日投与したところ重篤な有害事象を認めることなく原発巣リンパ節ともに縮小効果を認めた。2週間休薬後に胃全摘脾合併切除術D 2リンパ節郭清を施行した。病理組織学的所見はpor pT 2(SS) pN 1(#1 3) ly3 v 0 pPM(−) pDM(−) StageⅡ 根治度B で化学療法の組織学的効果は原発巣リンパ節ともにgrade 2と判定された。術後経過は極めて良好で11か月経過の現在転移再発の徴候を認めない。進行胃癌に対するTS-1単剤による術前化学療法は簡便であり有効な治療法となり得ることが示唆された。
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