特発性血小板減少性紫斑病を併存したEpstein-Barr Virus感染症による脾原発inflammatory pseudotumorの1例
2008
我々は特発性血小板減少性紫斑病の治療中に発見されたEpstein-Barr Virus (以下, EBV) 感染による脾原発inflammatory pseudotumor (以下, IPT) の1例を経験したので報告する. 症例は67歳の男性で, 特発性血小板減少性紫斑病の治療中にUS, CT, MRIにて脾臓に腫瘤を指摘された. 血管腫などの良性腫瘍が疑われ6か月間経過観察したが, 腫瘍径が増大し, fluorine-18-fluorodeoxyglucose and positron emission tomography (FDG-PET) にて高集積を認めた. 以上の所見より, 悪性腫瘍を疑い, 腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した. 病理組織学的検査ではIPTと診断され, 増生する紡錘形細胞にはin situ hybridization法にてEBウイルスが検出された. 脾臓摘出術後, 血小板減少やIPTの再発は認めていない. 自験例はEBV感染が血小板減少と脾原発IPTの発症に関与している可能性が考えられた.
- Correction
- Source
- Cite
- Save
- Machine Reading By IdeaReader
9
References
3
Citations
NaN
KQI