【組織免疫】 皮膚制御性T 細胞の役割
2019
皮膚は生体の最外層に位置するため,紫外線,化学的・物理的刺激などの環境因子や細菌・ウイルスなどの病原体に恒常的に曝露されている.定常状態では表皮バリアや免疫寛容機構により皮膚炎の発症は抑制されているが,外界とのせめぎ合いの結果,免疫が惹起されると,免疫細胞によって多彩な皮膚免疫反応が引き起こされる.CD4+Foxp3+制御性T 細胞(Treg)は免疫細胞サブセットのひとつであり,免疫応答を負に制御する機能を有する.皮膚は多数のTreg を保持することが知られる一方で,二次リンパ組織や腸などの他臓器に比べ,その機能は未解明な点が多い.本稿では,皮膚Treg の特徴にはじまり,その局在や維持機構および免疫抑制機能に関して概説するとともに,近年注目を集める免疫システムとは独立した皮膚Treg の機能について触れる.
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