再手術症例における histidine buffered cardioplegia の有用性

1999 
再手術時の心筋保護はしばしば難しく, 良好な手術視野の確保ということに加え十分な心筋保護効果を得るためにしばしば広範な剥離が必要とされる. しかし, これはときおり術中術後の出血の原因となる. 心筋保護法の中心概念は冷却による代謝の抑制にあるが, 近年虚血中の代謝の維持を目的とする心筋保護が用いられるようになってきた. 今回われわれは虚血中の嫌気下解糖亢進を基本概念とした心筋保護液 (histidine buffered solution; HBS) を再手術症例5例に用いた. 剥離を必要最小限にとどめ局所冷却を用いず, 手術時間の短縮と出血量の軽減, 良好な心機能回復を得ることが可能であった. 持続的なカリウム投与による高カリウム血症とそれに伴う心機能抑制もなく, 簡便で有用な方法であると考えられた.
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