(ジメチルスルホキシド)ルテニウム(II)錯体と三座配位型ポリ(1-ピラゾリル)ホウ酸イオンの反応

1992 
三座配位型トリスーあるいはテトラキス(1-ピラゾリル)ホウ酸のタリウム塩TI(BRPz3)(Pz=1-ピラゾリル基;R=Pz,H)とルテニウム(II)錯体cis-[RuC2(dmso)4](dmso=ジメチルスルホキシド配位子)のジク揖ロメタン懸濁液を6時間加i熱還流し,淡黄色粉末の錯体[RuC12(PzH)(dmso)3][1]を得た。収率は,BPz4塩からは13%,BHPz3塩からは17%であった。(1)は,BRPz3配位子のB-N結合の開裂を経るもので,cis-[RuCl2(dmso)4]とPzHの類似の反応からも合成できた。3個の配位dmsoは,溶媒アセトニトリルとか添加DMSOでも置換されず,さらにIRv(S=O)の波数,メチル基の1H-NMR化学シフトなどを測定し,3個のdmsoはすべてS-配位であると決定した。2個のdmso上のそれぞれ二つのgemina1なメチル基の間で,4JHHの10ngrangecouplingが観測されaお互いに非等価であった。また,残る1個のdmso上の二つのメチル基は,NMR的には等価であった。これらの結果を総合し,錯体[1]の3個のdmsoはすべてS-配位のfacia1配置であると決定した。なお,大過剰のPzHを[RuCl2(dmso)4]と反応させると,主生成物の[1]以外に,少ない副生成物として[RuCI3(PzH)2(dmso)2]を得た。
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