Assessment of Oxygen Metabolism Derangement in Patients with Severe Consciousness Disturbance Using Near-infrared Spectroscopy (NIRO-300®) in Critical Care Medical Center

2002 
近赤外線分光分析装置NIRO-300®を用いて,救命救急センターに搬入された,意識障害患者における酸素代謝障害のモニタリングを行った。対象は,救命救急センターに搬送された後NIRO-300®を装着された患者のうち,意識レベルがJapan Coma Scaleで3桁であった14例(男性9例,女性5例,平均年齢47.4歳)で,本装置により測定が可能となった総ヘモグロビン濃度に対する酸素化ヘモグロビン濃度の割合(tissue oxygenation index; TOI)を上腕部および前額部において測定し,得られた値をTOI-A (上腕),TOI-B (前額部=脳)として比較検討した。また,各種ヘモグロビン濃度変化およびベッドサイドでモニタリング可能なパラメーターとTOIの変動を比較し,前回報告した内容に照らし合わせて検討した。大脳半球に障害が及んでいない3例のみが,TOI-BがTOI-Aよりも高値を示した。大脳半球に障害が及んだ11例中,2例を除いてTOI-Bが減少し,TOI-Aよりも低値を示した。この2例に関しては,出血に伴う血管外のヘモグロビンの影響が考えられた。各種ヘモグロビン濃度変化あるいは他のモニタリング可能な指標と比較対応させた結果,虚血脳における酸素代謝障害を鋭敏に捉えていることが明らかとなった。また,TOI-Bが内頸静脈酸素飽和度とよく相関しながら変化する症例を経験した。以上よりNIRO-300®を用いてTOI-BとTOI-Aを相対的に比較すること,各種ヘモグロビン濃度変化あるいは他のモニタリング可能な指標と比較対応させることで,非侵襲的かつ簡便に脳酸素代謝障害の把握がベッドサイドで行い得る可能性が示唆された。
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